まちょの天体写真

東京在住 超スローペース更新

八ヶ岳から比較明合成

全記事のアンタレス周辺から青い馬星雲を撮影しつつ、比較明合成の星野写真を撮りました。
両方とも、約6時間の露出です。2晩曇らず、良い条件の下比較明することができました。
薄明前の夜空も合成に含めて、ちょっと空にグラデーションが付くくらいにしています。
南天の方は甲府が明るいです。富士山が見えるはずなのですが、つぶれてしまいました。


20210317YatsugatakeRoyal_North_small
撮影対象  :八ヶ岳と北天
撮影日時  :2021/3/17
撮影地   :山梨県北杜市
光学系   :Sigma(14mm)ISO100 f2.8
架台/ガイド:Gitzo 4型
カメラ   :EOS 5D 
露光データ :120sec*150(300分)合計 300分
画像処理  :ステライメージ(比較明合成)、Photoshop2020(レベル調整、背景合成)


20210317_YatsugatakeRoyal_South_small

撮影対象  :八ヶ岳から南
撮影日時  :2021/3/18
撮影地   :山梨県北杜市
光学系   :Sigma(14mm)ISO100 f2.8
架台/ガイド:Gitzo 4型
カメラ   :EOS 5D 
露光データ :120sec*175(350分)合計 350分
画像処理  :ステライメージ(比較明合成)、Photoshop2020(レベル調整、背景合成)


アンタレス周辺から青い馬

憧れの領域、アンタレスから青い馬星雲あたりを撮影しました。

八ヶ岳周辺で撮影しましたが、南東の甲府方面は明るく露出は1分が限界。
Apo Sonnar 135mm + 6Dのツインシステムを用いて2晩かけ、総露出は555分です。
なぜか片方のシステムはフラットが合わず、PhotoShopのムラとりでごまかしました。
PixinsightのArcsinhStretchしすぎましたかね?
アンタレスが星雲に埋もれてしまっている感じがします。

20210317アンタレス周辺_明るさの最小値2

撮影対象  :アンタレス周辺から青い馬星雲(さそり座)
撮影日時  :2021/3/17,18
撮影地   :山梨県北杜市
光学系   :Apo Sonar(135mm)ISO1600 f2.8 ツイン
架台/ガイド:AP-Goto赤道儀 / M-gen3
カメラ   :EOS 6D (SEO sp4) ツイン
露光データ :60sec*550(550分)合計 550分
画像処理  :PixInsight(WBPP, CosmeticCollection, Debayer, ABE, DBE, PCC、ArcsinhStretch)、Photoshop2000(ムラとり、レベル調整、トーンカーブ、明るさの最小値)

オリオンのベルト付近

昨年末に撮っていたオリオン座のベルトのところです。
M78 馬頭 燃える木、いろいろと写っていて楽しいエリアです。
右の方の分子雲や淡い色は難しいです。

20201215オリオンのベルト


撮影対象  :オリオン座のベルト付近(オリオン座)
撮影日時  :2020/12/15
撮影地   :山梨県早川町
光学系   :FS-60CB(255mm)
架台/ガイド:CRUX 140 Traveler / M-gen3
カメラ   :EOS 6D (SEO sp4) Twin
露光データ :2分*180(360分)
画像処理  :PixInsight(Dark, Flat, CosmeticCollection, Registration, Integration, ABE, Photoetric Color Calibration, Multiscale Linear Transform, Arcsinh Stretch, SCNR,)
              Photoshop2021(ゴミの修正)



 

画像の位置と、CCDの位置関係をたしかめた

機材使いこなし訓練の第2弾です。

今回はCCDの画面上で、上下左右はCCDの素子のどこの部分なのか確かめてみました。

なぜこのようなことを調べるのかというと、今後スケアリング調整を行ったときに、PC画面と実際のCCDのピクセルの位置の相対関係を知っておくと調整がしやすくなるからです。
今の私のCCA250+QHY16200Aのシステムで、隅の星像が気になるってわけではないんですが、今後のために行いました。

やり方はK-Astecのスケアリン調整機構についていたマニュアルの方法にならいました。
まず厚紙を用意し接続部分の直径で切り出します。私の場合は52mmの紙を切り出しました。
そして、目印として、4つの方向に、ピンホールの穴を1つ、2つ、3つ、4つとあけます。
穴は縫い針でつくりました。最初写真にあるように思いっきり4隅にあけました。
実際やってみると、この位置での穴は端っこすぎました。
IMG_2594


私のQHY16200Aは、テーパーの3か所留めで鏡筒に接続しているので、今回は鏡筒側にテープで簡単に止めて、鏡筒を接続します。一度撮影してみると真っ暗。穴の位置が悪いようです。

CCDの四隅にあたる場所に穴がないと画像に移らないので、穴を内側にあけなおしました。
IMG_2595


そしてフラット撮影の要領で撮影します。
pinhole
すると、上のような画面が得られました。ピンホールの穴からCCAの副鏡とスパイダーの像ができています。
これをみると、PC画面上では左上が4つ、右上が3つ、左下が1つ、右下が2つ像があります。

以上をもとにQHY16200Aを正面からみたときとの関係を作図しますとこのようになります。

スケアリング調整



これを知っておくと、画像の星像から、傾きがわかったあと、どの位置をなおせばよいのかすぐに判断できるわけです。


なお、K-astecのスケアリング調整機構の押ネジのピッチは0.75なので、0.2mmが約1/4回転(90°)になると説明書にあります。
例えば、Aの隅が、中心位置から0.1mm手前でピントが合っている場合は、Aの位置の調整ネジを0.2mm押して調整します。
ネジを調整したい量の2倍押し出すのは、写野の中心から押ネジまでの長さは、中心からAまでの長さの約2倍と見積もってのことです。

今後時間があったらじっくりスケアリング調整に挑んでみようかと思います。


QHY16200Aのゲインとオフセット

質の良い天体写真は質の良いデータから。
質の良いデータは、装置をつかいこなすことから。

ということで、冷却CCDをつかいこなすべく、ゲインとオフセットをきっちり決めることとしました。
私のいままでの撮影データはGain 0 Offset 130でした。なぜかというと、マニュアルにデフォルト値として記載されていたからです。

昨日までは、ゲイン?オフセット?それっておいしいの?状態の私の考察ですので、温かい目で見守ってください。

情報ソースは
「how to scientifically determine CCD gain and offset」
というネットで見つけた解説です。検索で容易に見つかると思います。
これを自分なりに追試してみました。

最初にちょっとGainを調べてみると、海外のユーザーでgainは1にしているという人を数人見つけたので、Gainは1に。また、Offsetだけちょっと先にしらべてみて、Offset120くらいでバイアスの下限がゼロにならないということで、今回の追試は
Gain 1 Offset120
を基準として始めることとしました。

撮影はMaximDL、画像全体の最大値、平均値、最小値の計測はMaximDLのInformationウインドウで行いました。
20210215fig8


手順1 
現在の設定Gain 1 Offset120で、飽和するカウント値を計測します。
一定なライトの下、複数の露出を設定し、いつ飽和するのかを計測してみます。
光源にはGeoptik Flat Generatorの上に乳白色のアクリル板を置いてをつかいました。鏡筒は接続しませんでした。CCDのスケアリング調整機構のところにアクリル板、Flat Generatorをくっつけました。


最初の手順はCCDの温度は室温です。

20210215fig1


露出は0.02から2倍、2倍で設定しました。
露出1.28秒以降はほぼ横ばいになりました。その時のカウントは大体63000カウントくらいです。
16bitの最大値は65535カウントなので、大体その2500カウント手前で飽和しています。
つまりこの設定は上限近くの2500カウント使いきれていませんでした。
最大限ダイナミックレンジを確保する設定が目標なので、Gainはもうすこし大きくてもよさそうです。
なぜ63000くらいでカウントが上がらないのかというと、ピクセルの許容電子数(フルウェルキャパシティ)がいっぱいになっているのです。一つのピクセルにはこれ以上電子を貯められません。

フルウェルキャパシティ一杯になったときにだいたい65535カウントになるように設定できれば、最大限のダイナミックレンジをつかえることになります。
そこで、ゲインを変化させます。
ゲインを大きくすると、1電子増えたときのカウント値が大きくなります。
補足 仕様によると、QHY16200Aは40000がフルウェルキャパシティ、0.7e/ADUが最大の係数です。

手順2
65535カウントに飽和するGainの値を決める。

手順1で現状のGain 0では1.28秒の露出で飽和することがわかりました。
ここでGainをすこしずつ上昇させ、飽和が65535になるGain値を求めます。
20210215fig2


その結果Gain 5で65535にちょうど至ることがわかりました。
これを仮に決めたGain値とします。

手順3
仮に決めたGainに対する、オフセットの値を決める。
オフセットの値を、なるべく低く。ただし、バイアスフレームの最小値が0を下回らないように設定します。フラット光源を切り、バイアスを取得します。
得られるバイアスの平均値は500から1000で、minimumは0以上が理想との事。
20210215fig3

計測の結果から、オフセットは118が適しているとしました。


手順4
再びゲインを計測する。
オフセットとゲインはカウントに相互に影響しあうということなので、今度は逆にオフセットを固定しゲインをもう一度計測します。
手順3でフラット光源を一度消してしまったので、光量のボリュームがどこだかわからなくなりました。
もう一度ちょうど飽和になる露出も求めます。

20210215fig5

ここでは1秒で飽和になりました。

そして、露出を1秒とし、ゲインを変化させてみます。

20210215fig6

飽和に至るゲインはグラフを見ると、3から4くらいでグラフが平らになります。
このゲインの値で、フルウェルキャパシティの飽和に至った時に、カウントの最大値に一致していると言えるでしょう。
つまり、ゲイン3から4くらいでダイナミックレンジをほぼ最大限につかえていることになります。

一方で、参考にした論文によると、ピクセルはフルウェルキャパシティがいっぱいになる直前では線形性が崩れるそうです。
フルウェルキャパシティが飽和近辺の線形性が低いところは取り除き、線形性が高いところをデータとして得ようとするならば、
ゲインをわずかに高く設定し、フルウェルキャパシティいっぱいになる前に、カウントが飽和している方が線形性が高くなると言えます。

なので、今回はゲインを4とすることに決めたいと思います。

20210215fig7

以上、私のQHY16200Aの最適な値は、Gain 4、 Offset 118と決定することにします。
とりあえず、これでしばらく運用してみます。


ギャラリー
  • 八ヶ岳から比較明合成
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  • 画像の位置と、CCDの位置関係をたしかめた
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  • 画像の位置と、CCDの位置関係をたしかめた
  • 画像の位置と、CCDの位置関係をたしかめた
  • QHY16200Aのゲインとオフセット